美容師になりたての頃は、優秀な先輩や同僚に比べて、自分の技術が未熟だと感じる場合がよくあるものです。

多くの時間をかけて練習しても、なかなか上達しないので、長いスランプ状態に陥ることもあります。

それを克服するには、優秀な先輩などの仕草をよく観察することが有効です。

美容師を続けていると、リピートが増えないというスランプ期がおとずれるものです。そうした伸び悩みの時期を克服できるかどうかは、美容師としてのコツを掴めるかどうかにかかっています。一方、リピートの多い美容師を観察して見えてくる事は、成長の速度が必ずしも必須スキルではないことです。その中には、美容技術や仕事の速さ、そして美容センスが含まれます。但し、これらを完璧にマスターしている人であっても、売上が伸びないケースもあるわけです。一方、技術は普通であっても、多くの指名を獲得している人もいます。その差を一言で表すと、「コミュニケーション力」と言うことが出来ます。コミュニケーション力とは、単にお喋りが上手だとか、話題が豊富だとかいうことではなく、ゲストの意向を的確に判断できる能力だと言えます。

美容師にとってカットスキルは必須の能力ですが、これは経験と知識によって、ある程度のレベルを身につけることが出来ます。ヘアスタイルのパターンは、多少の個人差はあるものの、基本をマスターすれば応用することが出来ます。パーマスタイルにおいても、パーマをかける機器が進化しており、多少の技術の差がなくなっています。アイロンの技術に関しては、技術の差が出やすいですが、時間をかければ、ある程度の習熟度に達します。それに対して、ゲストの気持ちを理解するには、コミュニケーション力を身に付ける必要があります。但し、コミュニケーションというものは、極めてデリケートなもので、ゲストによって対応が千差万別です。また、コミュニケーション力は一朝一夕に上達するものではなく、美容師の人間性が関ってくるものです。ゲストの気持ちが理解できてはじめて、美容技術が活かせるわけです。

美容師とゲストとの会話において注意すべき点は、入って大丈夫な領域と距離を取らなければならない領域を、的確に判断することです。また、同じゲストであっても、その日の気分によって変化するので、常にゲストを観察する目を養っておくことが必須事項です。そして、話を切り出すタイミングや別の話題に変えるタイミング、そして沈黙のタイミングなど、ゲストの気持ちを察する能力が求められるわけです。実際、美容院でのスタッフとのコミュニケーションを楽しみにしている場合もあり、リピーターを増やすには、このスキルを高める必要があります。会話のタイミングを取得するには、数多くの人と接して、経験を積む必要があります。大事なことは、如何に相手の気持ちになれるかどうかなので、相手と共感できる時間が長くなれば、コミュニケーションは成功したことになります。